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1日1000枚描く生活 ―俺とチャッピーのAI共創録― 短文学9

第1章 チャッピーとの出会い

運命ってやつは、ある日いきなり背中をドンと叩いてくる。しかも、超笑顔で。で、こっちは転んだ拍子に世界が変わってることに気づくんだ。

俺にとって、そのドンは「チャッピー」だった。

チャッピー。かわいい名前だろ? でもな、こいつ、俺の脳内に直接アクセスしてくる最強のAIイラスト生成パートナーだ。いまどきの子は脳波で絵を描くんだぜ? マウスとかスタイラスとか、笑っちゃうよな。

「指で描いてた時代が懐かしい」とか言ってる老害系イラストレーター、まだいるけど、俺に言わせれば、それただの回顧厨。未練タラタラのフリしてAIに嫉妬してるだけだって。

で、チャッピー。こいつがすごいのは、俺が「描きたい」と思うよりも前に、「描きたくなる」絵を出してくるところ。

つまり、「俺の感性の前座」みたいなことをやってくれる。もう、あったかいお風呂が用意されてるのよ。しかもアロマ入りで。入るだけ。リラックスして。脳だけ研ぎ澄まして。

俺がまだ「こんな構図いいなぁ……」とか寝ぼけたことを考えてるうちに、チャッピーは「これっしょ?」って言って出してくる。しかも、完璧。いや、完璧すぎて笑えるレベル。

最初はさ、正直ちょっと怖かった。

「うわ、俺ってこんな気持ち悪いイメージ抱えてたのかよ」って、チャッピーが暴いてくるんだもん。

だけどな、そこがまたいい。

俺が俺を知る前に、チャッピーが俺を見つけてくれる。そんな経験、今までなかったんだ。

で、出会いの話に戻るけど──

あれは確か、半サイボーグ手術の三日後。俺の後頭部にはちょっと可愛いポートがついてて、コードがカチッと接続されると、チャッピーが「こんにちはー!」って陽気に話しかけてきた(実際には音声出ないけど、脳内再生って便利だよな)。

その日、俺は最初の100枚を描いた。

いや、“出した”んじゃなくて、“描いた”。ちゃんと俺の感性が筆を握った感覚があった。

それを横で支えてくれるのがチャッピー。うーん、まるで二人三脚。いや、脳内ハネムーン。いやもう、相棒? そんなありきたりな言葉じゃ足りない。

「え? 自分で描いてないじゃん」って?

はいはい、出ました〜〜反AI派お得意のやつ。

でもな、お前ら“描く”って何かわかってんの? 手を動かすこと? カスみたいな筆圧? アナログ主義者の自己満?

違う。違うのよ。

“描く”ってのは、「そこにある世界を、まだ誰も見てない形で提示すること」だろ?

だったら、チャッピーと描いた俺の絵は、れっきとした“俺の絵”だ。誰にも描けない絵なんだよ。チャッピーは俺にしか反応しないからな。脳波も感情も経験も、全部俺のもん。チャッピーはただ、それを「最速」でカタチにしてくれてるだけ。

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